半年ほど前にフロントフォークのオーバーホールを自分でやってみた。
初めての挑戦だったので何か問題が有ったんだろう。
走りに行く予定が有り、車体を点検していたら片側のフロントフォークからオイルが滲んでいるのを見つけた。
実は問題には心当たりが有ったので、今回はきっちり対策をとっていく。
はじめに
オーバーホールと題したが部品を新品に交換して間もないので
今回はオイルシールのみ新品に交換する事にした。
整備対象はHRC RS125 NX4に採用された倒立フォークです。
カスタム流用でも良く使われていると思うので整備の参考になれば幸いです。
治具・特殊工具を事前に用意しておこう
治具
フロントフォークは単体では不安定です。
万力と木材等で簡単なスタンドを事前に造っておきました。
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特殊工具
フォーク先端のフォークボルトを緩めるとアウターチューブが自重で下に下がります。
うっかり手を放すとブッシュやオイルシールが損傷するので保護の為にフォークセットカラーなる
部品を使用します。
しかしメーカー廃盤?手に入らないので3Dプリンターで自作しました。
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オイルシールの圧入にも特殊工具が必要です。
本体が半割になって、ハンマーの様にオイルシールを打撃で圧入するシールドライバーを使うのが一般的ですが、私はおススメしません。
今回は別の方式で圧入する様に自作しました。
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分解
ストップリング取り外し
うっかり外し忘れがち。そして、なかなか気づかずいつまでもプリロードアジャスタが外れない。
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プリロードアジャスタ、スプリングアジャスタプレート取り外し
フォークボルトを保持し、プリロードアジャスタを反時計方向にまわして取り外す。
スプリングアジャスタプレートも取り外す。
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1)プリロードアジャスタ
2)フォークボルト
3)スプリングアジャスタプレート
フォークボルト取り外し
フォークボルトを半時計方向に緩める。
アウターチューブがフリーになる、手でしっかり保持する。
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↑
フォークセットカラーがあるとシールを傷めない
フォークスプリングシートストッパーを押し下げ17㎜のスパナを掛ける。
小排気量なので、スプリングシートストッパーは手の力で押し下げが可能
(1)フォークボルト
(2)フォークスプリングシートストッパー
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フォークボルトを反時計方向に緩める。
インパクトドライバーがあると作業効率が上がる。この後もちょいちょい使う。
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フォークスプリング取り外し、オイル排出
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フォークダンパー取り外し
フォークダンパーを固定するソケットボルトは手回しだとネジが供回りして外れない事が多い。
インパクトドライバーだと打撃効果か一発で外れる。
分解2回目だと経験値が有るので作業が早い。
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インナーチューブ取り外し
ストップリングを取り外す。
スライダーを少し圧縮しては引っ張る動作を繰り返してアウターチューブからインナーチューブを取り外す。
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(1)スライドブッシュ、(2)ガイドブッシュ、(3)バックアップリング取り外し
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スライドブッシュはマイナスドライバーなどで開いて外す。
写真では精密ドライバーを使っているが、大きめのマイナスドライバーを使用するのが良い。
案の定、少し傷がついた。
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スライドブッシュは本来、新品を使うのが望ましいらしいが
このパーツ、注文しても何時も在庫切れで1か月位い待たされる。
納品が間に合わないので仕方なく今回は継続使用する。
スライドブッシュ、ガイドブッシュはテフロンコーティングを傷めない様に
サランラップなどで包んで保管しておく。
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オイル漏れの原因
右が新品、左が古いオイルシール
前回のオーバーホール時に片方のフォークだけオイルシールが中々入らなくて
シールドライバーを何度も打ち付けて圧入した。
過度の打撃負荷でオイルシールが痛んでしまったのがオイル漏れの原因と思われる。
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オイルシール拡大。全周に亀裂が発生している。
![](https://hanamaru-seven.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG20220913201835.jpg)
おわり
組み立ては次回です。
オイルシールの圧入方法は分割式のシールドライバーをハンマーの様に打ち付けて入れるのが一般的ですが、この方法には懐疑的でした。
初めてのオーバーホールということでテキスト通りに作業しましたが、今後シールドライバーは2度と使わないと誓います。
その代わりに自作の圧入機を造りましたので次回紹介します。
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