前回に引き続き倒立フォークオーバーホールです。
組立の前に構成部品の確認です。
構成部品
①フォークダンパー ②インナーチューブ ③アウターチューブ ④スライドブッシュ
⑤ガイドブッシュ ⑥バックアップリング ⑦オイルシール ⑧シーリングワッシャ
⑨ストップリング ⑩ストップリング ⑪ソケットボルト ⑫アジャスタプレート
⑬プリロードアジャスタ⑭フォークボルト ⑮フォークスプリング ⑯ジョイントプレート
⑰スプリングカラー ⑱スプリングショートストッパ ⑲センタリングプレート
※以下文から構成部品は〇番号で記載します。
因みに④⑤は廃盤です。
が、NSF250(NX7)のパーツが流用できます。
④:51414-NX4-701 → 51414-NX4-703
⑤:51415-NX4-701 → 51415-NX4-703
※HRCパーツは納期が長いので注意
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清掃、点検
組立の前に清掃、点検です。
古いオイル、摩耗汚れをパーツクリーナーとペーパーウエスで除去します。
このフォークは前回、入念に清掃を行ったので今回は省きました。
点検も消耗部品はほぼ新品なのでザックリです。
一応、ブッシュ類のテフロンコーティングのチェックだけ実施しました。
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組立
②に④⑤⑥⑦を組付け
ブッシュ・シール類には指定のフォークオイルを塗布します。
推奨オイルはホンダウルトラクッションオイルスペシャル(SAE 5W)
オイルシールの挿入にはシールリップを傷めない様、インナーチューブの端にサランラップを巻きます。
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右から⑦⑥⑤④の順で組付けます。
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オイルシール圧入
③に②を挿入します。
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圧入量を確認します。
なんとなく目見当で圧入すると入れすぎてシールが潰れたり、しっかり奥まで入っていなかったりします。しっかり数値管理しましょう。
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測定の結果、アウターチューブの端から6㎜圧入するのが適正位置の様です。
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そしたら、インナーチューブ外径に近似の内径の塩ビパイプをスペーサーとして用意します。
塩ビパイプの端から6㎜の位置にラインを引き、圧入限界ラインとします。
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今回の目玉登場です。
オイルシールの圧入にはシールドライバーなるハンマー型の圧入機でオイルシールを打撃するのが一般的ですが、私はお勧めしません。
シールに限らず、ベアリングも同様です。
絶対に部品が痛みますので静的動作での圧入が良いです。
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先端の2つの蝶ネジを少しずつ回して圧入する事で、簡単に、静かに確実に圧入できます。
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見事、簡単に圧入できました。
前回シールドライバーで打ち込んだ時はハンマー音が響いて近所迷惑なくらいうるさかったのに。
そして、上手くシールが入らず脂汗を出しながら泣きながら作業しました。しかも次の日は腕が筋肉痛になりました。
今回は無音です。力もほとんどかけてません。
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綺麗に圧入できて大満足(^^♪
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①を②へ組付け
シーリングワッシャーは新品を使用し、ネジをインパクトドライバーで仮締めします。
手回しだと①が供回りして永遠に締まりませんが、インパクトドライバーを使えば打撃効果か1発で仮締めできます。
その後、トルクレンチで規定トルクに本締めします。(規定トルク:3.5Kkg-m ≒ 34.32Nm)
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フォークオイル注入、エア抜き
標準オイル量234ccを二回に分け、注入します。
注入後、エア抜きを2~3回実施し、再度フォークオイルを全て注入。再度エア抜きを2~3回実施します。
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・フォークを伸ばし、アウターチューブのフォークボルト穴を手のひらで塞ぎ、アウターチューブを静かに圧縮します。
・フォークボルト穴から手を放し、フォークを伸ばします。
上記の動作を2~3回繰り返します。
最後に油面の調整です。(標準オイルレベル85㎜)
標準オイル量で入れているので油面は丁度良かったです。
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⑮⑯⑰⑱を組付け
分解した時と同じ方向に部品を組んで行きます。
方向を忘れた場合、各部品の摩耗範囲で組付け方向が分かりますので確認しましょう。
例えば⑰の向きを忘れた場合は内面の嵌め合い部分の摩耗範囲で⑯と⑱がとちらに付いていたのかは判ります。
スプリングの上下も同様です。⑱との嵌め合いが渋い方が上です。
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⑩⑫⑬⑭組付け
後は分解の逆の手順で組み立てるだけです。(規定トルク:3.5Kkg-m ≒ 34.32Nm)
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プリロード量をもう一方のフォークに合わせたら作業完了です。
お疲れ様でした。
![](https://hanamaru-seven.com/wp-content/uploads/2022/09/IMG20220924112212-1024x768.jpg)
おわり
初回は大変ですが、繰り返し作業する事で徐々に作業スピードは上がります。
また、自分のバイクは自分で整備した方がコンディションを把握できて良いですよ。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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